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1歳児と0歳児のいる生活は、落ち着かない。

母は、てんてこ舞いだ。

お花の教室は続けていたし、赤ん坊は夜泣きするものだし、

一人は離乳食で、もう一人はミルク。

風呂に入るのに、長女を浮き輪にのせたり、次女を風呂のふたにおいたり。

一時も目が離せないらしく、自分の髪を洗う間、目を閉じるのも我慢しているようだ。

心配性だから、仕方ない。

母は、髪を超ショートに切った。

生徒さんに「センセイ、髪型だけ、ワダアキコみたい。」といわれて

本人も なるほど、と思ったようだ。髪型だけで良かった。


人間は、いきなり母親にはなれない。

祖母も父もかなり協力的だったが、母の心に余裕はない。

ぼくが叱られることが多くなった。

「銀!こっちこないで。」

「銀!赤ちゃんのぬいぐるみを噛まないで。」

「銀!赤ちゃんが起きちゃう、吠えないで。」

ぼくは犬だ。たまには吠えもするし、新しいぬいぐるみに興味もある。

愛情のない 名前の呼び捨てには、うんざりだ。

おかげで、次女の初めてしゃべった言葉は 「ギン!」 だ。

命令口調。しかも、呼び捨て。


ぼくは、かなり我慢強い犬だったと思う。

ぼくのお気に入りのペンギンのぬいぐるみを赤ん坊が横取りしても、

隙を狙って取り返しただけだ。

でも、かまってもらえないのは、淋しい。

ぼくはスネた。最初にぼくの異変に気づいたのは、Lさんだ。

ぼくの信頼しているトリマーさん。彼女は、犬の気持ちをわかってくれる。

Lさんの店には、トイプーがたくさんいる。

スタンダードプードルもフレンチブルもネコもいる。

ある日Lさんが、父母に言った。

「銀ちゃん、言うこと聞かなくなったよ。何かあった?」

ぼくは、片足をひきずるようにもなった。

医者にみせても、原因はわからない。

レントゲンをとったって、異常は見つからない。

フリをしているだけだから、わかるはずはない。


赤ん坊が幼児となり、彼女たちの友人が遊びにやってくるようになると

ぼくは口輪をはめられた。

となりのケンチャンは、あのころ小学校1年生だったろうか。

ぼくを、かわいがってくれた。

サッカー帰りのケンチャンのくつしたのにおいが、大好きだった。

バルコニーのしきりの隙間をくぐり抜けて、

ケンチャンちのバルコニーへ遊びに行ったことだってある。

すぐに、連れ戻された。

これらは、すべて思い出話だ。ぼくが、まだ、若かったころの。

バルコニー_convert_20120129165641 ぼくのうちのバルコニー。ケンチャンちにつながっている。

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ぼく、銀ちゃん。今日は、雪がちらつきそうな寒さだ。

骨折騒動により、母は、いつかおとずれるぼくとの別れを強く認識した。

 ぼくはまだ、1歳にもなっていない。心配性にもほどがある。

ぼくの遺伝子を受け継ぐ子供を残すことで、その不安感を和らげようとした。

そして、桃ちゃんをぼくのお嫁さんとして迎えた。

桃ちゃん_convert_20120126171557 桃ちゃんはアンダーではない。

桃ちゃんは、ぼーっとしているが食いしん坊で、強靭な脚力と顎をもつ。

年下の桃ちゃんに、ぼくは様々なイタズラを教えてもらった。

 彼女は、本能に従い行動しているだけで、悪さをしているという認識は、ない。

ダイニングテーブルに飛び乗り、人間のおかずを失敬すること。

トイレシーツをビリビリに食いちぎって、部屋中に撒き散らすこと。

米袋を破いて、生米を食すること。 → 2匹とも病院行きだ。米がおなかの中でふやけてふくらみ、ひどいめにあった。

こんなことをしようとは、一人でいる間は思いつきもしなかった。


まぁ、気の強い娘ではあるけれど、ぼくは桃ちゃんと仲良くしたくて、四六時中追い回していた。

それが、良くなかったのだろう。ぼくは、桃ちゃんにあまり好かれなかった。

しつこくしすぎて、ガブガブと噛まれたりもした。

銀桃2_convert_20120126172914 こんなことしたり

桃銀1_convert_20120126172842 こんなことしたりして、嫌われた。


そうこうしているうちに、母のおなかに長女が宿った。

夜遅くまで仕事を続けていた母は、切迫流産、後に切迫早産となり

産婦人科の先生に叱られていた。

ついに妊娠中毒症となって、絶対安静命令が下された。

大きく膨らんだ母のおなかに、ぼくと桃ちゃんは交互にジャンプして飛び乗っていた。

先生は、「犬は1匹実家にあずけなさい!」と言った。

祖母は、桃ちゃんを選んだ。

桃ちゃんは、まだ子供だったし、ぼくのほうは父母と離れられないと判断したらしい。

そんなわけで、1年足らずで桃ちゃんとは別れることとなり、ぼくたちの間に子供は生まれなかった。


長女が無事に生まれ、1年1ヵ月後には、次女まで生まれた。

人間でも、続けて子供を産めるのかと、正直驚いた。

あっという間に、4人と犬1匹の家族となった。

父母の愛情を一身にうけていたぼく。

愛情には限りがあるのだろうか。人数分で分け合うものなのだろうか。






ぼく、銀ちゃん。シルバーのトイプー。15歳。

母はかわいがってくれるが、子犬の頃はとても厳しかった。

とくに食生活に関して。

ドッグフードの規定量をきっちり量る。多くも少なくもない。

人間の食べ物は、くれない。

赤ちゃんの頃、ウンチやオシッコが上手にできたら、ちょこっとおやつをくれた。

もちろん、犬用のものだ。


マンションに住んでいたころ、ぼくのトイレはバルコニーにおいてあった。

したくなるたびに窓をたたいて、あけてもらっていた。終わると戻って、また閉めてもらう。

新しく家を建てたとき、人間のトイレの中に、ぼくのトイレも作ってくれた。

ぼく専用のドアもあるので、好きなときにいける。

でも、ときどき家族と鉢合わせだ。

「やだ~。銀、入ってこないでよ~。」

13歳と12歳。多感な時期の彼女たちは、露骨に嫌な顔をする。

 なんのことはない、ぼくのウンチの始末が面倒なのだ。

ついこの間まで、ぼくより知能が劣っていたくせに、いまはどうだ。

昨日のブログの正面写真を見た次女は、

「網状脈の葉っぱだね。」

たしかに、平行脈の葉の形よりは、似ている。

彼女は、中学受験生だ。

受験を3日後に控え、頭の中は、日本史の年号や時事問題、水溶液の計算などで占められている。

でも、そんな知識は数ヶ月後にはきれいさっぱりだ。

長女をみればわかる。

あんなに暗記しまくって入学したのに、頭を強く打ってどうかなってしまったかのような忘却力だ。

でも、努力は大切だ。

暗記した内容よりも、暗記するための努力が人間には必要なのだと、父母は考えているようだ。


話が大きくそれた。

ぼくは、子犬の頃、ソファーから飛び降りて足を骨折した。

母はパニくりながらも、泣きわめくぼくをタオルにくるんでキャリーバッグに押し込み

ひっきりなしにぼくに話しかけながら、車で病院に運んだ。

不安感が最高潮に達した彼女は、診察室で先生に

「骨折ですか?骨折ですか?骨折ですか?」

と、少なくとも3回は超早口でたずねた。

年配の看護婦さんが言った。

「奥さん。」

「はい。」

「待合室でお待ちください。」

あまりにうるさかったのだろう、母は追い出された。

不安を共有するため、母は父に電話した。

どんな報告をしたのだろう。高速を飛ばして病院にたどり着いた父は、後に、こう述懐している。

「驚いたよ。犬でも骨折したら、競走馬みたいに安楽死なのかなって・・・」


ぼくは、ふつうに手術を受け、数日入院して、しばらくしてまた元気に走り回れるようになった。

今もぼくの足にはプレートが入ったままだ。

父は、しばらくぼくのことを

「プレート犬・銀」 と、よんでいた。べつにたいした意味は、ない。

ギプス_convert_20120125194931

ギプスがはずれたら、エリザベスカラーだ。


エリザベス_convert_20120125200712















子供の頃銀_convert_20120124102247


ぼくは、15歳。1996年12月2日生まれだ。

結婚して2年目の父母が、ペットOKのマンションを購入して

すぐに、ぼくを迎え入れた。

分析好きな割に直感に突き動かされる母と、本能1割・理性9割の冷静沈着な父は

犬種を決めるために、まず、犬の性格や飼い方の本を読みあさった。

そして、「毛が抜けない・賢い小型犬」トイプードルを選んだ。

 子供のころから 柴系雑種、シェットランドシープドッグ、ポメラニアン、スピッツたちとともに

 過ごしてきた彼らは、抜け毛と無駄吠えを敬遠したようだ。

名前の由来は、お察しのとおり毛色だ。ひねりがない。安直だ。

ぼくは8万5千円だった。白色の兄弟は7万円だった。シルバーだから少し高い。

とはいえ、ブーム前なので今思えば格安だ。

生まれたときは写真のように真っ黒だったが、成長とともに銀色の毛の勢力が増し

加齢とともに白髪が増え、毛量と色は薄くなった。


ぼくは、アンダーだ。うけ口をカッコよく言ってみた。

赤ちゃんの頃は、はっきりわからなかったが、

大きくなるにつれて、下あごが頭角をあらわしてきた。

ある日、正面から僕の顔を見て、母がつぶやいた。

「銀ちゃんの口、葉っぱみたい。」

正面_convert_20120124104029

うちに来るお客さんも、ぼくを見るとみんな言う。

「かわいい~。」

そして、ひとことつけ加える。

「犬って、こんな顔だっけ。」

どこかおかしいが、なにがおかしいのか的確につかめないらしい。


そんなぼくを、とくに母は溺愛した。

花と押し花の教室を開いていたが、

赤ちゃんの頃はひとりにできないからと、教室にもぼくを連れて行った。

ぼくは、たくさんの人間にかこまれて育った。


















父にぼくのカラダの異常を報告した母は、少し落ち着いた。
 
 不安を誰かと共有すると、彼女は冷静になる。

そして、もういちどじっくりぼくの下腹部を観察し始めた。

「あれ?よく見ると、たま○まはふたつある・・・」

「全体的に膨らんでる。おなかに水がたまっているんだ!」

母の脳は、「肺水腫」「腹水」というキーワードに一瞬にして支配された。

そのキーワードは、「末期症状」というキーワードへとつながる。


早めに帰宅した父が、午後の部の病院へぼくを連れて行った。

「むくみです。」

「おなかにも肺にも水はたまっていないので、むくみです。明確な理由はわかりませんが。」

血液検査とエコーの結果、「むくみ」と診断されたぼくは、5日間利尿剤を飲むこととなった。


2006銀_convert_20120122142945

ぼくは銀ちゃん。15歳のプードル。♂。

けっこう、長生きしている。

でも、ここ最近、ちょっと体調がよくない。

母が僕のおなかを見て、

「銀ちゃんのおなか、ふくらんでる!」とさけんだ。

 母は、びっくり症だ。たいしたことなくても大声をだす。

 その声に、ぼくも家族もびっくりさせられる。

ぼくのおなかをまじまじと見て、

「おちん○んも大きくなってる!」とまた、さけんだ。

さらに

「ふたつあった たま○まが、ひとつしかない!」とさけんだ。

「たま○まのひとつが、おちん○んに移動したんだ!」と即座に決めつけた。

 母は何かにつけて分析好きだ。未知の事象に怯える。

母は、仕事中の父にすぐに電話して、伝えた。

父は、

「それは、移動するんだ。もどせ。」と言ったらしい。

母は、

「そんなことできない。」と断っていた。

 よかった。素人判断でそんなことしてほしくない。

そして、ぼくはかかりつけの病院へ行くことになった。










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